日本で仕事をしながらオンラインでコンピュータサイエンスの修士号を取得できる、ジョージア工科大学大学院について紹介します
なお、学費等の計算には為替レイトとして、1ドル=105円を使用しました
公式サイトはこちら
ジョージア工科大学大学院 コンピュータ・サイエンス
Georgia Tech’s online Master of Science in Computer Science (OMS CS) とは
ジョージア工科大学はジョージア州の州立大学で、米国工科大学の超名門校
米国工科大学の御三家とされ、マサチューセッツ工科大学、カリフォルニア工科大学と肩を並べる。卒業生には、合衆国第39代大統領のジミー・カーター氏や、ispaceの袴田 武史さんがいます
ジョージア工科大学大学院 オンライン・コンピュータ・サイエンス(以下、OMSCS)は、2013年に開始されたオンラインの大学院
コロナ禍でオンライン授業を展開する大学が多いですが、OMSCSはオンラインで授業をおこなうことを前提として設立されています
OMSCSは、U.S. News & World Reportで、米国第9位のコンピュータ・サイエンス大学院に位置付けられます
OMSCSの学生総数は2020年春時点で9,568人、115カ国から集まり、アメリカの学生が64.5%、その他の国が35.5%の構成
大学院の特徴
OMSCSの特徴は、受講しやすく、かつ安価な認可大学課程という点
授業はudacityというMOOC(オンライン学習システム)で実施。そのため、大学への通学はもちろん、アメリカでの居住は不要です。好きな時間に受講できるため、日本で働きながらでも受講可能。
また、卒業までに必要な学費はおよそ75万円($7,000)と、日本の国立大学と比較しても圧倒的に安価。なお、日本の大学院の場合、博士前期課程2年間で約135万円。
OMSCSは認可大学過程となり、コンピュータ・サイエンスの修士号を取得できます。
取得できる修士号
Master of Science in Computer Science
を取得できます。これは、通学して取得できる資格と同一のもので、”オンライン”のような言葉は入らず、通学で取得した修士号と区別されることはありません。
授業内容
OMSCSでは以下のコースなどが提供されています。詳細はCurrent Coursesを参照。
一般コース
- 情報セキュリティ
- オペレーティング・システム
- 応用オペレーティング・システム
- セキュア・コンピュータ・システム
- コンピュータ・ネットワーク
- ネットワークセキュリティ
- サイバーフィジカルセキュリティ
- ハイパフォーマンス・コンピュータ・アーキテクチャ
- 組み込みシステム
- ソフトウェア開発プロセス
- ソフトウェアアーキテクチャおよび設計
- ソフトウェア分析
- データベースシステム
- 医療情報科学
- ビデオゲームデザイン
- 教育技術
- コンピュータグラフィックス
- コンピュータビジョン
- アルゴリズム
- 人工知能
- 人間とコンピュータのインタラクション
- 認知システム
- ロボティクスAI
- 機械学習
- 強化学習
- ディープラーニング
- コンパイラー
- ほか多数
上記のコースに加えて、Specializationsという専門コース群があり、専門コース群の中には、それぞれ複数のコースが含まれます
専門コース群
- 認知・ロボティクス
- コンピューティングシステム
- インタラクティブインテリジェンス
- 機械学習
卒業に必要な受講コース数は?
卒業までには、最低10コースを受講する必要があります。専門コース群から4あるいは5コースを選択し、その他5あるいは6コースを任意のコースから選択
1セメスターあたり2コースまで受講可能なため、1年間で計4コースを受講可能。つまり、卒業に必要な10コース÷4コース/年=2.5年と、卒業までには最短で3年が必要となります。
ただし、フルタイムで働いている社会人学生の場合、最初の1セメスターは1コースまでの受講を推奨。そのため平均的な卒業までの期間は3年となり、最長で6年まで在籍可能。学生の事情によって必要な期間は変わります。
入学前に授業内容を見ることはできるか?
udacityというオンライン学習サービスを通じて授業内容を見ることが可能です。
udacityの授業は入学しなくても受講可能。udacityのサイトで会員登録をし、検索で「OMSCS」などのキーワードを入れると授業を検索できる。例えば、Machine Learningがあるので授業の雰囲気を確かめてみると良いでしょう。
入学要件
OMSCSの入学要件は以下の通り。
- 4年制大学を卒業していること(学士を保有していること)
※学部要件として、コンピュータサイエンスあるいは関連学部(機械工学、電子工学、コンピュータエンジニアリング、数学など)を卒業していること
※証明書が必要 - GPA3.0以上
- 米国以外の受験者はIELTSもしくはTOEFLスコアを提出
IELTSは全体のバンドスコアが7.0、かつセクション(R・W・L・S)ごとのバンドスコアが6.5, 5.5, 6.5, 6.5以上TOEFLは総合得点で90点以上、かつセクション(R・W・L・S)ごとの最低点が19点以上
その他、補足は以下の通り。
- 上記要件を満たさない場合は個別に評価される
- 仕事のキャリアは問わない
- GREは不要
入学試験
入学試験は、以下の情報および書類を提出する。
- 個人情報(名前や誕生日、住所ほか)
- 学歴(大学の成績証明書は必須)
- TOEFLスコア(米国以外の国籍)
- 民族性
- 受賞歴ほか
- 他に応募している大学
- キャリア目標や背景に関するエッセイ(なぜ応募したのか。英語で2,000字まで)
- SOPエッセイ(キャリアプラン。何を目指しているのか。英語で4,000字まで)
- レジュメ
- 推薦人(教授や上司など。級友や同僚は優先度低)
3人の推薦者が必要になり、メールアドレスを伝える。メールアドレス宛に推薦状の提出方法が送信される。
学費
卒業までの学費目安はおよそ75万円。ただし、在学期間が長ければ長いほど追加の費用が必要
学費を試算してみましょう
1コースあたりおよそ57,000円($180/credit hours×3hours×105円)、また学期ごとにおよそ32,000円($301/semester×105円)を支払います。卒業までに10コースを3年(6学期分)かけて受講したとすると、
57,000円*10コース+32,000円*6学期=762,000円
この他、コースによって購入書籍があり、購入費用も+αでみておいたほうが良いです。
在学期間が長ければ長いほど、またより多くのコースを受講するほど、学費は必要となります。
2020-2021 Tuition and Fee Rates per Semester
卒業までに必要な期間
一般的な学生で3年間。ただし、仕事の繁閑や体調などを踏まえ、もう少し長めにみておいても良いでしょう。
なお、OMSCSでは最長6年間までの在学が可能となっています。
入学試験の申し込み
Apply Nowから申し込みが可能
申し込みの期限は、春入学が毎年7月1日、秋入学は毎年3月1日。この期限までに、TOEFLスコアや成績表、推薦状などの入学試験書類を揃える必要があるため、余裕をもってIELTSもしくはTOEFLを受験ておきたいです
まとめ
ジョージア工科大学大学院 コンピュータ・サイエンス(Georgia Tech’s online Master of Science in Computer Science (OMS CS))は安価で、かつ働きながらコンピュータ・サイエンスの知識を深められる有益なプログラムです
働きながら、ということは仕事の繁閑を乗り越えながら、空き時間を強制的に作って長期に渡りPCに向かうモチベーションが求められます。これはオンライン学習の簡便さのもう一方の側面であるといえます。
なぜオンラインでコンピュータ・サイエンスの修士号を取得するのか、目的を明確にして、3年間みっちりとスキルアップできたら良いのかもしれません。