2018年に発刊された落合陽一氏が著した日本再興戦略を改めて読み思う、自分のコアスキル(コア)について考えてみたいと思います。
ちなみに、コアとはnuclearのことではありません。
コアとは人間のエンジンのようなもので、価値を生み出す源泉。セフルブランディングの観点でいうと「私は○○ができます」と紹介するときの文句になるでしょう。少し前だと、IT×会計×英語のような3種の神器が流行ったが、固定的なスキルのことではなく、三者三様、ひとそれぞれ。自分がコアだと思うもので良いのです。
今回は、日本再興戦略を読み、自分なりのコアを考えてみました。
ものづくりで富を生みだす希少な価値をもつひと
本著から受け取ったメインメッセージは「ものづくりで富を生みだす希少な価値を持つ」ということ。
”もの”には有形資産と無形資産の両方があり、アートや楽曲、ソフトウェアなどの無形資産も”もの”に含まれます。
価値というとやや大上段な響きもあるが、対価を生み出すもの、つまりは社会の誰かのニーズを満たす、役に立つということ。
士農工商
メインメッセージを支える考え方に、士農工商が登場します。
自分が歴史を習った時には、身分制度・階級制度として教えられた概念。しかし、その後の研究により職業の分類を表す言葉であることが分かり、上下を分類するためではなかったよう。
士は武士。現代で言う政治家、官僚、起業家といったところ。政治や経済の新しいしくみをつくる職業です。制度設計、イノベーションを起こす人たちのこと。新しい仕組みやイノベーションをおこすクリエイティブは希少価値が高いです。
農は農業従事者のみならず、広く一般生産、一般業務従事を言います。百姓という言葉から、百の生業をもつ人をさします。落合氏は大学の教授職×メディアアート×企業経営という百姓的な生き方。自分の好きなこと、得意なことを掛け算し、希少な領域を目指す考えです。ベン図の重なる部分(A∧B∧C)そのもの。心の赴くまま生業という集合を増やします。
工はアーティストやエンジニアを言い、新しいものをつくる職業。
商はビジネスパーソン、いわゆる企業のホワイトカラーなどが該当。商は基本的に取引のことで、取引だけでは国が成り立ちません。有形無形問わずにものが生産されてこそ商が生きてきます。
コア
士は仕組みを、農と工はもの自体をつくるクリエーター職。
自分から生み出された製品や作品が、誰かの手に渡ることでその誰かのニーズを満たします。
車や家電のみならず、アートやソフトウェア、書、音楽、映像など有形無形のものをつくる。サービスとは異なり、自分から分離されたものが道路やインターネットを経由して輸送され、誰かの手にわたります。
ものをつくるのは自分です。さらに言えば、自分のなかにあるコアがあってものが作れる。コアはいわば内燃機関のような働きをもち、知識や時間、そしてお金といった燃料を資本として投下することでよりよいものを生み出せるようになります。
自分のコアを見極める作業は考え始めると非常に難しくなるもの。
ですが、創造的休暇があるように、時間をかけてよい作業です。核が見つかるということは幸せなことでしょう。