経済産業省DXレポート2025年の崖を読む

Photo by Tim van der Kuip on Unsplash 新規事業
Photo by Tim van der Kuip on Unsplash
DXレポート ~ITシステム「2025年の崖」克服とDXの本格的な展開~(METI/経済産業省)

経済産業省が2018年9月7日に発表した「DXレポート〜ITシステム「2025年の崖」の克服とDXの本格的な展開」を読んだ。

これまでも当レポートを待たずともデジタル化の流れはあり、古くはオフコン導入から、ERPパッケージ導入やペーパーレス化、RPA導入そしてWebサービス化など、企業はデジタル化を進めてきた。

では、今回のレポートが提起するデジタル化(デジタル トランスフォーメーション)はこれまでと何が異なるのだろうか。

このレポートを読んだうえで、以下の点に着目した。

  1. IT予算ポートフォリオの変革
  2. ノウハウの蓄積(主体性の保持)
  3. アジャイル開発の導入
  4. APIを利用した疎結合

IT予算ポートフォリオの変革

当レポートによると、現状のIT予算ポートフォリオ(配分)は、システムの運用・保守にかける予算が80%、顧客向けのサービスに係る予算が20%となっている。

つまりコスト削減にITを活用しているものの、売上をあげるためにITを活用できていないということを示している。

IT予算ポートフォリオを見直し、まずは比率を逆転させ、新しいサービス開発に多くの予算を投入できないものか。

これは、すべての企業がSaaSを提供せよと言っているわけではない。

既存の事業あるいはサービスにデジタルの要素を加えることで付加価値を提供せよ、という意味であると解釈している。

ノウハウの蓄積(主体性の保持)

つぎに、デジタルを導入する際のITベンダー依存を避けるべき、という点。

たしかに、ITベンダーに委託できれば、早くかつ規模の大きなシステムが開発できるかもしれない。しかし、そのあとに社内に残るものは何か。

システム開発の企画から設計、コーディング、テストそしてリリースのサイクルを社内でまわすことで社内にノウハウが蓄積され、次開発に活かされる。

ITベンダー依存をやめ、デジタル化の主体性は自社でもつべき。

短期的に実現はできないかもしれない。中長期を見据えてエンジニアの採用と教育が必要になる。そして、これらのエンジニアにより売上を上げるサービスをともに開発する点は新しい。

アジャイル開発の導入

MVP(Minimum Viable Product)をつくり、サービスを自社エンジニアで少しづつ育てよう、という点。

最小で実用可能なサービスをつくり、顧客の反応をサービスに反映しながら、徐々にサービスを市場に適したものにしていくアジャイル開発。

これはスタートアップがよく採用する手法であったが、大企業などでも適用してみてはどうかという提起である。

内部にエンジニアを抱えることで実現できるアプローチである。

APIを利用した疎結合

規模の大きなサービスをひとつ作るのではなく、モジュール化して、各モジュール間をAPIで接続する、疎結合の開発をすべきという論点。

単一のERPパッケージのようなものを作り上げるのではなく、機能ごとにサービスを分離してAPIで連携できるようにする。

アジャイル開発、内部エンジニアによって実現できる新しいソフトウェア・アーキテクチャである。

DXとは

守りのITではなく攻めのITへ。サービスにデジタルの要素を加えて売上を上げる。売上を上げるというのは、すなわち顧客に価値を提供すること。

本レポートを読み、攻めのITへ変革することがDXの真髄。

そのための開発方針についていくつか着目した。スタートアップが採用してきた開発手法を大企業も取り入れるべきときかもしれない。

いくつか参考書籍を貼っておく。特に、及川卓也さんのソフトウェア・ファーストはDXについて考えるうえで参考になるので一読されたい。

ソフトウェア・ファースト Kindle版あり

アジャイルサムライ――達人開発者への道 Kindle版あり

アジャイルな見積りと計画づくり ~価値あるソフトウェアを育てる概念と技法~ Kindle版あり

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