新規事業などでサービス開発する際に、様々なアイディアを出しながら実現まですすめていくことがあるかと思います。
新しいサービスを事業として確立させるためには、背景、市場の大きさ、成長率や競合の動きなど、見るべきポイントは複数あります。
しかし、これらの調査はもう少しあとにして、アイディアの種をつくる段階で大切にしたい2つのことについて書きました。
大切にしたいこと
それは、
”誰”のために”どんな価値を”提供するのか?
という2つのことです。
アイディアの種の段階では問いをなるべくシンプルにして、アイディアの創出を妨げない程度に、アイディアの質を上げることが大切です。
つまり、
1.顧客
2.価値
という2つのことについて答えを持ちながら、新規サービスのアイディアを出していきます。
誰のためのサービスなのか?
新規サービスを開発するときに、意外にも置き去りにされているのが顧客のことです。顧客本位、顧客第一などビジョンにも掲げられることの多い”顧客”が意外にも忘れ去られています。
ここでいう”誰”とは顧客のことを指し、顧客とはサービスの対価を支払ってくれる法人もしくは個人と定義します。
すなわち、お金を払ってくれる人(法人格と個人)です。
ここで気をつけたいのは、直接の対価を払ってくれないパートナー企業や、仕入先などは除外して考えることです。
仕入先の満足度を高めないと良い部材が仕入れられないよ、といった意見もあるかもしれません。
しかし、このタイミングで考えるべきは顧客です。
顧客にフォーカスします。
では、顧客をどのような粒度で考えましょう?
”法人”では広すぎます。
中小企業の人事部門、や、製造業の生産管理部門、などが良いです。
中小規模は○○人くらいを想定、や製造業は機械工作に絞る、などの深掘りはありです。
深掘りしたほうが良いことには理由があります。
なぜなら、顧客の課題が見えやすくなるからです。
300人くらいの人事部門が抱える課題、工作機械メーカーの生産管理部門が抱える課題、としたほうが見えやすくなりませんか。
このように顧客を決めることで、顧客の課題を想像し、つぎの価値へとつなげることができます。
どのような価値を提供するのか?
サービスが顧客の課題を解決することで価値を提供することができます。
法人であれば、大きな課題として、
売上を上げたい、
原価・経費を下げたい、
従業員に幸せになってもらいたい、
などがあります。
まずは大きな課題を決めて、もう一段は落とし込みたいとことです。
生産計画の立案にかかる時間を削減できる(原価低減につながる)
最終顧客からの注文をリアルタイムに工場へ伝達し機会損失を最小限にする(売上のアップにつながる)
ここまで価値が明文化できれば、アイディアの質はだいぶ上がってきます。
定めた顧客の売上を上げるサービスなのか、原価を削減できるサービスなのか、顧客が受け取る価値を明確にしておきます。
まとめ
サービス開発をするときに大切にしたい2つのことについて書きました。
それは、
”誰”のために”どんな価値を”提供するのか?
という2つのことです。
どうやってその価値を実現するのか、がサービスそのものの内容になります。
価値の実現方法はこのあとにじっくり考えていくとして、定めるべきは誰向けにどんな価値を提供するのか、この2つです。
THIS IS SERVICE DESIGN THINKING. Basics – Tools – Casesー領域横断的アプローチによるビジネスモデルの設計