提案依頼

提案依頼先(RFPを送付する相手)の選び方

提案依頼先の候補をどのような基準で選べばよいのでしょうか。これまでの経験を踏まえて、その選定方法について書いてみたいと思います。

どのような基準で選ぶか

提案依頼先の選び方には次のような基準があります。

  1. 既存取引の有無
  2. 会社規模の大きさ
  3. 財務状況
  4. 製品・サービスの導入実績の豊富さ
  5. パートナー企業の多さ
  6. 他社からの評判
  7. 面談の感触

既存取引の有無

取引

ひとつめの基準は、これまでの取引の有無です。これまでに取引があり、今回の提案依頼の対象となる製品やサービスの取り扱いがある場合は候補になりえます。築かれた信頼関係があり、お互いの強みと弱みがわかっているのは大きなアドバンテージです。

既存の取引がない場合は、上記の優位点がなくなる一方で、これまでに無い解決策や新しいものの見方をもたらして貰える可能性に期待することができます。

会社規模の大きさ

規模の比較

次は会社規模の大きさです。具体的には資本金の大きさ、従業員数、拠点数そして上場の有無などがあげられます。

財務状況は別途みる必要がありますが、資本金が大きいことで安定性を測ることができます。また、従業員が多いことで導入体制の充実やトラブル時の対応などへの期待を推し量ることができます。

また拠点数や近い拠点の有無も考慮できます。自社に近い拠点がある場合、迅速なオンサイトサポートが得られやすいことと、自社が分散している場合にも各拠点でサポートが得られやすくなります。

上場の有無もひとつの基準になります。財務情報など各種投資家向け開示がありますので、非上場企業よりも客観的なデータに基づいて選びやすくなります。

財務状況

財務

上場企業であれば開示された短信や決算書を、非上場企業であれば帝国データバンクなどで概要数字を入手できます。

P/Lでは直近数年間の売上と営業利益、最終利益の推移をみておきます。慢性的な損失が発生している場合は継続性に懸念の可能性がありますので、損失の原因などを公開情報で調べます。

B/Sでは直近の会社の安全性をみます。資産と債務の状態などを確認しておきます。P/Lで継続的な損失が発生している場合は、剰余金がマイナスになり、資産よりも負債が上回る状況になっている場合があります。

製品・サービスの導入実績の豊富さ

実績

提案依頼の対象としている製品あるいはサービスの実績をみます。まずは導入企業の多さです。同業種、異業種含めて実績の多さは製品・サービスの洗練度やノウハウの蓄積につながりますので重要な指標になります。

一方で製品の歴史と比較して実績が少ない場合は販売数が少ないか事例公開に同意が得られなかった可能性が考えられます。

また、同業種における導入実績の多さにも注目します。同業種の実績が多い場合は、業界の状況や業務に関する知見が蓄積していると考えられます。

パートナー企業の多さ

パートナー

該当製品・サービスを導入しているパートナー企業の多さも評価軸のひとつになります。パートナー企業が多ければそれだけ自社にとって選択肢が増えます。また、希望時期にプロジェクトを立ち上げられる可能性が高まります。

他社からの評判

評判

提案依頼にあたって同業種や仕入先、販売先などお付き合いのある会社さんから聞き出せた評判も基準になります。

実際に導入した他社もしくは提案依頼を受けた他社などから該当企業の評判を聞けると、今後の参考になります。

提案依頼にあたっては同業種もしくは隣接業種のお知り合いを訪ねてみると良いと思います。

面談の感触

面談

提案依頼の候補先に電話やフォームなどでコンタクトを取ると、実際に営業担当者とお会いできることがあります。

お会いした際の先方の力の入れ方や熱量などを見て、製品導入への意欲や案件獲得への意思などを推し量ることができます。また、現段階で不明となっている点などを聞いておきます。

何社くらいに声をかけるか

社数
社数

では何社くらいに声をかけるのか。

提案依頼先が多すぎると、問い合わせの対応や資料の読み込みなどに時間がかかり、負担が大きくなります。

一方で少なすぎると選択肢が狭まり、最終的に決め手のない会社を選択せざるを得ない場合があります。

上記を踏まえて、個人的な経験では4-5社程度が適度なのではないかと思います。

まとめ

以上、提案依頼の送付先の選び方について書いてきました。選定にあたっては透明性を保ちつつ、長いお付き合いのできるパートナー企業を選ぶという難しい作業になりますが、上記が参考になれば幸いです。