先生「ではこの問題わかるひとー」
児童「はい!」
ICT教育以前では、先生の問いかけに対して児童・生徒が答える方法は挙手でした。一方で、授業にパソコンを活用することで、挙手によらない新たな意見表明の選択肢をつくることができるのではないでしょうか。
従来、授業の中で児童・生徒が自分の意見を発出するためには、
- 意見を考える
- 挙手をする
- 先生から指名される
- 意見を述べる
というプロセスを経てきました。
このプロセスは積極性を評価しやすい一方で、クラス全体が挙手をする生徒の意見に偏る傾向があります。
私自身も小学生の頃は手を挙げる児童ではありませんでした。しかし、意見を持っていなかったわけではなく、考えがあったうえで「手を挙げるまでもないか。。。」と思っていたひとりです。
しかし、ICT教育でパソコンを用いることで、このプロセスを変えることができます。
児童・生徒は自分の考えをパソコンでドキュメントもしくはグループウェアに書き込み、書き込んだデータを先生がクラス内で共有する。これで誰もが意見の発信者になります。
さらに、ICT支援でみてきた児童・生徒がパソコンに書き込むときに、
- フォントサイズを変える
- 色を塗りつぶす
- 画像を差し込む
- イラストをフリーハンドで描く
などをしていました。さりげない行動でありますが、自分で表現を楽しむ意味のほか、他者に自分の情報を見せることを意識しているものと考えられます。
他者に見せるためによりわかりやすく、伝わりやすく工夫するという行為の現れだと思うのです。
また、書き込み形式にするとほとんどの児童・生徒がなんらか記載します。これまで挙手をしてこなかった子も。
ICT教育でパソコンを活用することで、従来挙手をしてこなかった児童・生徒にも、新たな意見表明の選択肢を設けることができるのではないでしょうか。
また、副次的な効果として、意見はデータとして残るため後日先生が評価に活用したり、生徒が振り返りに活用したりできます。
先生「ではこの問題について考えをまとめてください」
パチ パチ パチ (タイピング音)
このスタイルが心地よい生徒もいるのではないでしょうか。