提案依頼

提案依頼とは

システム開発における提案依頼とは「外部ベンダーに対してシステム開発委託に関する提案をお願いする行為」のことをいいます。

ディスカッション

なお提案依頼のために外部ベンダーに提示するドキュメントを提案依頼書と呼びます。

また、アルファベットでRFP(アールエフピー・Request For Proposal)と呼ばれることもあり提案依頼書と同義で使われることも多いです。

提案依頼は「これから貴社に発注しようとしているシステムはこんな仕様で考えています」を伝えるのですね

提案依頼の結果として、外部ベンダーからシステムの開発費用をはじめ、実現方法などの提案をもらうことができます。

提案依頼の大まかな流れ

提案依頼はシステムの企画を終えた後、次のような流れですすめます。

  1. 提案依頼書の作成
  2. 送付先の選定
  3. 提案依頼
  4. 提案の受領
  5. 提案書の確認
  6. 送付先との面談
  7. 委託会社の選定
  8. 契約
提案依頼の進め方

発注したいシステムの企画を終えたら、まずは提案依頼書を作成します。発注の目的やシステムの仕様について記載します。

提案依頼書は細かすぎず大雑把すぎず、という適量を狙うことが重要です。細かすぎると委託先の提案の余地(幅)を狭めてしまい新しいアイディアを引き出しにくくなります。

提案依頼書

一方で大雑把すぎると委託先からの問い合わせが増えて両社ともに負担が増えたり、雑な見積もりが来てしまったりして良くありません。

提案依頼書が書けたら、提案依頼先を選定します。これまでにお取引のある会社をはじめ、インターネット検索などを活用してマッチしそうな提案依頼先を探します。

提案依頼先が決まったら提案依頼を打診し、承諾いただけたら提案依頼書を送付します。いきなり提案依頼書を送付してしまうと、そもそも回答できないや受託不可などの場合もありますので、事前に確認をとっておくと良いです。

提案作成に必要な期間、たとえば1ヶ月から1ヶ月半程度を置いた後、提案書を委託会社より受領し、提案書の内容を確認します。ここで第一次審査として書類を見て委託先の絞り込みをはじめていきます。

次に送付先と面談をおこない、先方からの質問やこちら側からの質問をおこない、双方の不明点をなくしていきます。

送付先との面談

面談はシステムの規模にもよりますが、最低でも1回、多いと数回に及びます。全体の話や個別ソリューションの話など、複数回に分けて行うこともあります。

提案書の内容および面談での感触、質疑応答の結果などを踏まえて最終的に委託先を決定します。

委託先決定後は、金額や納期、作業内容などの条件について合意します。合意できたら契約書を締結して、一連の提案依頼作業が完了となります。

提案依頼で気をつけたいこと

お互いに時間を消費するということ

時間の消費

委託するから無償で時間の限りなく対応してほしい、という姿勢は気をつけたほうがよいかもしれません。提案依頼はお互いに膨大な時間と労力を消費する行為です。送付先に最大限の敬意をもって取り組みたいところです。

依頼先は多ければ良いというわけでもない

提案依頼先の数は多ければ良いというわけでもありません。依頼先が多くなると当然やりとりの時間と手間が増えます。また選定するのに決めにくくなることもありますので、経験上は多くても5社程度におさえるのが良いのではないかと思います。

目的を丁寧に説明する

目的

発注の目的やシステムの目的を丁寧に説明します。なぜシステムを作りたい・直したいのか、なぜ外部に発注したいのか、を社内で議論し明文化しておきます。

システムの仕様は後々に変わることがあっても、システムの目的はブラさずに開発プロジェクトを進めていきたいものです。

まとめ

提案依頼とは、について書いてきました。提案依頼という作業を通じて、本当に成し遂げたいことが見えてきたり、市場にある製品やサービスを知ることができます。

一方で時間と労力を必要としますので、体制確保をしたうえで進められると良いと思います。