RPA(Robotic Process Automation = ロボティック・プロセス・オートメーション)のツールについて、国内のツールをまとめました。各ツールの名称、特徴と導入事例、そしてOCR機能について調査、記載しています。
BizRobo!
RPA テクノロジーズ株式会社から提供されているBizRobo!シリーズ。2008年に創業し、2010年にはBizRobo!を活用したBPOサービスを手がける。当社代表が発起人となり日本RPA協会を立ち上げ、RPAの普及につとめる。2018年には、SAPジャパンおよびSAPコンサルティングのアイ・ピー・エスと提携し、SAPの入力自動化を実現。創業以来、10年余りで1,000社以上の導入実績をおさめ、RPAプロバイダーの大手。
特徴
- 製品ラインナップが「BizRobo! mini」「BizRobo! Basic」「BizRobo! Document」「Roboforce」と分かれる
- BizRobo! miniは、RDA(ロボティック・デスクトップ・オートメーション)の製品で、単一アプリケーションの自動化。各ユーザーがデスクトップにインストールし、サーバーを必要としないのが特徴。RPAをトライアル的に導入するのに適す
- BizRobo! Basicは、RPA製品で、複数のアプリケーションにまたがる業務プロセスを自動化。オンプレミスのサーバーを必要とし、ロボットの中央管理が可能
- BizRobo! Documentは、RPAと人工知能によるOCR機能を有し、自動の帳票仕分けや、その後のシステム転記までをおこない、紙処理業務の業務プロセス全体を効率化
- Roboforceは、例外対応を含めた限定的な領域での非定型業務を、人工知能を使って自動化する製品
OCR
BizRobo! Documentを通じて、OCR機能を提供。複数のOCRエンジンを搭載し、読み取る文書に合わせて最適なOCRエンジンを選択できる。また、VRS(ノイズクリーニング)機能を使い、文書の汚れなどの除去が可能。「RPA×AI-OCR」による自動の帳票仕分け、その後のシステム転記等ができる。
導入事例
- 経済産業省(公共)
- 三菱重工業(製造)
- GMOメディア(IT)
- シーイーシー(IT)
- 大京(不動産)
- 日商エレクトロニクス(商社)
- 第四銀行(金融)
- 大塚ホールディングス(製薬)ほか
WinActor
NTTデータ株式会社が提供するRPAツール。WinActorのe-ラーニング講座やRPA技術者検定を提供し、RPAの普及につとめる。販売特約店をもち、代理店導入のスキームを構築。
特徴
- WinActorはWindows上で動作するロボット、WinDirectorはロボットの管理統制ツール、Prexifort-OCRが紙の情報をデジタルデータに変換するソフトウェア
- Windows端末であれば、多種のソフトウェアに対応。IEやOffice製品をはじめ、ERPやワークフローシステム、個別アプリケーションなどの操作を自動化
- 日本語と英語に対応し、対応言語を拡大中
- ノンコーディングでロボットを構築可能。ユーザーの操作を記録し、自動でシナリオ作成。専用エディタでシナリオを編集可能。ライブラリを400種類以上用意し、よくある操作を簡単に組込可能
- PC1台からでも動作可能
OCR
独自のOCRソフト『Prexifort-OCR』を提供。枠のない自由記入欄などにも対応可能。SDKが提供され、他ソフトへの組み込みも可能。昭和46年に提供を開始し、長い歴史をもつ。
導入事例
- アステラス製薬(製薬)
- JFE(製造)
- 東北電力(電力)
- 日東テクノブレーン(IT)
- ゲオ(小売)
- 百五銀行(金融)
- 三菱商事フィナンシャルサービス(サービス)
- JTB(サービス)ほか
Robotic Crowd
2014年に設立された株式会社チュートリアルにより提供されるRPAツール。SaaS型のツール。
特徴
- 業務プロセスをGUIで定義。ドラッグ&ドロップで利用するヴィジュアルモード、テキストでコードを書くエディタモードの両方をサポート。また、Chrome拡張機能により、Chromeの操作を自動記録。エディタモードではYAMLで記述し、条件分岐や繰り返し、スケジュール実行をサポート
- ChromeやGmail、ExcelやGoogle Sheets、dropboxなどをまたぐ業務プロセスの自動化が可能
- 人の手による入力、Google Vision APIによる画像認識、自然言語分析などが可能
- フリープランは無料で利用可能、Standardプランは月額10万円でロボットを2台、Enterpriseプランもあり
- 推奨環境(ブラウザ)はGoogle Chrome。Microsoft Edge、Safariでも動作。OSはWindows10、MacOS、Linux
OCR
実装予定
導入事例
- Actcall
- クラウドワークス
- マネーフォワード
- Wantedly
- DeNA
- NewsPicks
- Septeni
- dip
Autoブラウザ名人
1971年に創業したユーザックシステム株式会社が提供するRPAツール。ユーザックシステムは、RPA以外にも物流システムや基幹システムなどを手がける。名人シリーズの一角をなす製品で、他にはAutoジョブ名人、Autoメール名人、EOS名人.NET、FAX受注名人、送り状名人ほか、などがある。期間のライセンスと、買い切りのライセンスの二種類があり、他に保守料金が必要となる。
特徴
- パソコン操作を自動化するAutoジョブ名人、メール操作を自動化するAutoメール名人、ブラウザ操作を自動化するAutoブラウザ名人
- マウスクリック、キーボード入力、CSVダウンロード・アップロード、画面印刷などのブラウザ操作を自動化
- 専用のGUIでスクリプト編集可能
- WebEDI、Acrobat、電子メール、ERP、などアプリケーション処理の自動化
- スケジューリング機能
- 実行結果を保存し、管理者へメール通知可能
- 開発ライセンスは160,000円/年と保守料10,000円/月、実行ライセンスは39,000円/年と保守料4,000円/月
OCR
ハンモックのOCRソフト「AnyForm OCR」と連携が可能
導入事例
- LIFULL
- アムハード小西
- 昭和電機
- ソフトバンク・ペイメント・サービス
- ジャパンネット銀行
- サッポロビール
- スウォッチグループ
- ツインバード工業
- セイコークロック ほか
ipaS
株式会社ステラリンクが提供するRPAツール。RPA以外にも、アプリ開発やWeb制作、ERP、BCP、デジタルサイネージなど幅広くシステム開発分野を手がける。2012年に創業し、2016年にRPA事業を開始。iPasはパソコン上の定型作業を自動化。
特徴
- RPAソリューションとして、Robo-Factory、AI-OCR Tegakiをラインナップにもつ
- 高度な画像認識機能により画面が表示されるものであればすべて自動化可能
- コマンドラインの操作もエミュレート(バッチプログラムも対応可能)
- PC上での基本操作をノン・コーディングでロボット化
- ノン・コーディングで、複雑な条件分岐や繰り返しの記録・編集が可能
- 複雑な条件はJavaScriptで記述可能
- Windowsに対応
- 月額12万円
OCR
独自のOCRソフト、AI-OCR Tegakiを提供。手書き文字をデータ化するサービス。
導入事例
- トランスコスモス
- 読売IS
- テイクアンドギヴ・ニーズ
SynchRoid
ソフトバンクが提供するRPAツール。
特徴
- 2つのパックが用意される。ベーシックパックは複数ユーザーの同時開発をサポート。1ライセンス600,000円/月で、10同時アクセスが可能。ライトパックは1ユーザーからの利用で、900,000円/年。
- IBM Watson、Pepper for Bizと連携可能
OCR
コージェントラボが提供する、AI(人工知能)を活用した手書き文字認識(OCR)技術「Tegaki」と提携
導入事例
- マルコメ
- 足立区
- LIXIL
- フジモトHD
BizteX cobit
2015年に創業したBizteX株式会社が提供するRPAツール。2017年7月にベータ版を提供開始し、その後11月に正式版をローンチ。会社のミッションは「テクノロジーで新しいワークスタイルをつくる」。
特徴
- ブラウザでロボットを作成可能
- クラウドによる提供
- Webサイト、Webシステム、Excel、CSVなどに対応可能
- プランは4つ提供。トライアルプランは無償のトライアル1週間が提供。エントリープランは100,000円/月でロボット稼働ステップ数10万まで、スタンダードプランは200,000円/月でロボット稼働ステップ数20万まで、プロフェッショナルプランは300,000円/月でロボット稼働ステップ50万まで
導入事例
- GMOアドマーケティング
- マイネット
- Makuake
- サイバーエージェント
- メタウォーター
- ウェルクス
- SBペイメントサービス
- ユニポテンシャル
- JTBコミュニケーションデザイン
- ネオキャリア
- 廣済堂ビジネスサポート ほか
HeartCore Robo
2009年に創業したハートコア株式会社により提供されるRPAツール。RPA以外には、CMS(コンテンツ管理)やカスタマーエクスペリエンス管理システム(CXM)の事業を展開。取扱製品には、MariaDBやMySQLなどのオープンソース・ソフトウェアもある。
特徴
- 3つのツールで構成される。クライアント型のRPAツールであるHeartCore Robo Desktop、クラサバ型のRPAツールであるCicero Automation、業務分析ツールであるCicero Insight
- HeartCore Robo Desktopは、PCにインストールし、動作するタイプのRPAツール。マルチプラットフォーム、マルチデバイスに対応。管理用のポータルが提供され、リモートマシンでも操作可能
- Cicero Insightは、従業員のPC業務状況をキャプチャしてレポーティングすることで、業務の流れを把握できる分析ツール。RPAツール導入前の現状把握・業務可視化、RPAツール導入前後の効果測定ツールとして利用可能
- 経費精算業務、申請処理業務、企業情報収集業務、メール処理業務などの自動化に適用
- 本格導入前のサービスとして2ヶ月間のPoC(Proof Of Concept)メニューを用意
OCR
以下のOCRエンジンを利用可能
- オープンソースのOCRソフトウェアTesseract
- Google Vision API
- ABBYY
導入事例
- 企業名非公開
Robo-Pat
株式会社FCEプロセス&テクノロジーが提供するRPAツール。メールによるロボット作成問い合わせ対応や、ユーザー専用FAQサイト、定期的な勉強会を開催し普及につとめる。
特徴
- スタンドアロン型
- 高度な画像認識機能を用いて、ロボに行わせる作業を登録・設定
- キーボードとマウスで操作する作業であれば、すべてのアプリケーションを自動化
- AS/400のレガシーシステムにも対応可能
- メールでの個別問い合わせはすべて無料で対応
導入事例
- 株式会社アミックス
- プレミアムウォーター株式会社 ほか