ICT教育

ICT教育は児童・生徒のアウトプットスキルを育む

先生「今から聞く曲の感想をタブレットに入力してください。」

ICTを活用した音楽の授業の一コマです。

従来であれば挙手をして曲の感想を述べるところですが、ICT教育ではタブレットに書き込むことで児童・生徒の意見を表明します。

では、先生からの指示に対して、児童・生徒は感想をどのようにタブレットに打ち込むのでしょうか。

ICT支援で現場を見ていると、非常に興味深いことが分かります。

それは、児童・生徒は自分の意見を他の生徒と共有することを前提として、感想を書き込むのです。

具体的に言うと、たとえば文字の大きさや文字の量、色や形などの装飾を意識して書き込みます。そして書く内容も、他者が分かりやすい言葉を選んだり、時にはイラストを挿入したりします。

つまり他者との共有を意識して、伝わりやすい装飾と内容をタブレットに打ち込んでいるのです。

こうして、ICT教育は自然とアウトプットスキルが育まれていると感じます。自然とと書いたのは、先生が意識せずとも児童・生徒がアウトプット指向になっていると感じるためです。

従来型の授業であれば、紙もしくはプリントに感想を書き込んだうえで個人内に留めるか、もしくは挙手をした児童・生徒のみが意見をアウトプットしていたでしょう。

一方でICT教育では多くの児童生徒がアウトプットを前提とした情報を端末上で生成しているのです。

一見すると、パソコンに文字を打っている作業としか見えませんが、実は情報の生成と共有、活用という観点では、従来型の紙を使った作業と比べて大きな変化があるのではないかと思います。

情報はアウトプットして活用されることで価値を生みます。この価値創出が小学校のころからネイティブに身についていくということはとても大切なことではないでしょうか。

パソコンを使うことの意義のひとつに、児童・生徒のアウトプット指向とアウトプットスキルの向上が入っても良いと考えます。