システム開発のはじめに考えておきたいこと。
それは、
誰の、どのような課題を、解決するシステムなの?
という問いの答えです。
これはスクラッチ開発でもパッケージ導入でも、社内向けシステムでも社外向けシステムでも同じで、実装方法に関わらず言語化しておいたほうが良いことかなと思います。
システム開発はなんらかのきっかけがあって開発がはじまっていくものですが、どんなシステムが必要か(What)は議論されることがあっても、なぜ必要か(Why)は議論されることが少ないのではないかと思います。
システム開発がなぜ必要かって?
「いや、それ必要になったからでしょ」
「導入してって言われたし」
とか、なんとなく開発がはじまっていくことがあるんじゃないかなと思います。
開発フェーズのはじめのうちはまだ良いのですが、だんだん時間が経過するごとに、また関係者が増えていくに従って、「なんのために開発してるんだっけ?」という疑問がでることが増えます。
そんなときのためにも、はじめに開発の課題設定をしておくと良いと思っています。
本記事ではシステム開発のはじめのフェーズであるシステム企画において
「誰のどんな課題を解決するのか」
について深堀りしてみたいと思います。
誰のためのシステムなんだろう
はじめに、誰のためなのかを考えてみます。
システムでは利用者、ユーザーと呼ばれます。
ユーザーは誰なのか。
ユーザーを考えるうえでの論点、切り口を挙げてみます。
社外向けのシステムであれば、
- 職業
- 世代
- 嗜好
- 国・言語
あたり。
たとえば、大学の教授向け、公立小中学校の先生向け、アクセサリーをつくることが好きな人向け、日本で生活している海外出身の人向けなど。
社内向けのシステムであれば、
- 部署
- 管理者 / 一般
- 役職
- 職種
あたり。
たとえば、生産計画の立案に携わる管理者と一般向け、採用人事の担当者向け、経営会議に出席している役員向け、など。
このように属性をつかってユーザーを定義していきます。
どんな課題に対処する?
つぎにシステムがどのような課題を解決するのか、についてみてみましょう。
課題ってなんだろう?
はじめにここでいう課題とはなにか。
課題とは「なしとげたい仕事(こと)」と定義できます。
つまりシステムを通じて成し遂げたいこと、です。
さきほどのユーザーと組み合わせると、外部向けシステムの例では、
- 大学の先生が「授業のコンテンツを配信できる」
- 小学校の生徒が「ノートに情報をまとめ先生および生徒間で共有できる」
- アクセサリー製作が好きな個人が「つくった商品をオンラインで販売できる」
のように表現できます。
それぞれの課題には背景となる事柄があって、たとえば大学の先生の例では、
これまで授業の素材を都度PowerPointで製作して配布していたが手間だった、など。
成し遂げたい仕事の裏にはなんらかの背景を伴っていることが多いものです。
背景をともなった課題を解決するためにシステムを開発する、
それだけの付加価値がある、
ということを初期の段階、すなわちシステム企画フェーズで言語化しておくことが重要かと思います。
参考までに、課題を考えるときに、過去に読んで参考になった本をいくつかご紹介しておきます。
まとめ
ここまで、システム開発のはじめのフェーズとなりシステム企画で考えておきたい、
「誰のどんな課題を解決するのかを言語化する」
というトピックについて掘り下げてみました。
ユーザーと、ユーザーが成し遂げたいこととその背景、このあたりをセットにしてまずは言語化できると良いのではないかと思います。